子どもの頃は、聴力・発音の器官が柔軟です。特に10歳になる前の子どもは、論理めいたことでなく、意味のない文字や絵や音に対して絶大な記憶力を発揮します。つまり、見たまま、聞いたままを受け入れるのが大変得意なのです。小さい子の方が見たものをよく覚えていたり、英語の発音が、大きくなってから英語の勉強を始めた人に比べていいのはこのためです。
小さい頃から英語の文字に親しむことで、子どもたちは自然に文字や単語の形を認識します。レッスンで、単語や文章を声に出して練習する際に、絵カードや単語カード、テキストその他を使って文字も同時に見せ、読ませるようにしています。そうすれば絵だけを覚えるのでなく、読む学習も同時に行なうことができます。
娘が「お母さん、英語を話せるようになりたい。英語を教えて!」と言ったのは小学2年生の時でした。私の家にホームステイしたデンマークからの女の子2人をいたく気に入ったことがきっかけでした。英語が話せなかったのがとてもくやしかったんです。それから、しばらくして娘のお友達2人を誘い、3人を教え始めました。教え始めて、まず既習事項の定着をどう図るかに悩みました。子どもたちは、一回教えただけでは覚えません。そんな時、本屋さんで「こうして教える子どもの英語」仲田利津子著に出会いました。本には、Model Action Talk (MAT)メソッドの教え方が書かれていて、悩んでいたことの解決法が書かれていました。それから、私の子どもも教えてやってほしいという方が増え、翌年4月にきちんと教室として運営することにしました。
レッスンを始めると、また壁にぶつかりました。1年生の男の子たちがレッスンに集中せず、遊んでばかりだったのです。本当に悩み、他の先生に相談したり本を読んだりしましたが、生徒は変わりませんでした。
1年ほどたって、思い切って大阪のIIEECのModel Action Talk (MAT)メソッドワークシ ョップに参加することにしてみたのです。
ワークショップではトレーナーのハリソン篭橋 紫(かごはし・ゆかり)先生から、実際の教え方を教わりました。本だけではわからなかったことがたくさんありました。
ワークショップが終わり、先生に抱えている問題を相談してみました。するとこうするといいですよとアドバイスをもらえ、その通りにしたらうまくいったのです。他にも、教わったことをレッスンに取り入れたところ、明らかに生徒たちが変わりました。とっても元気に楽しそうに練習してくれたのです。
これは驚きでした。それから、時々大阪IIEECのワークショップに参加するようになりました。
その後、仲田利津子先生が大阪で2日間のModel Action Talk (MAT)セミナーを開かれると聞き、参加しました。このセミナーで仲田先生の指導の素晴らしさに感動し、このメソッドをマスターしたいと強く思いました。それからは、ワークショップに毎回参加して、学び続けています。「教えることは学ぶこと」。私はどんな机上の論より効果のでる実践法であるMATメソッドで、お子さんに英語を身につけていってほしいと願っています。