月刊アルコムワールドという雑誌に「香山リカの語学に効く心理学」というコーナーがあります。
2012年3月号の内容がちょっと感動したのでそのことに触れてみたいと思います。
幕末から明治初期に日本を訪れたヨーロッパの知識人たちは、日本人の明るさ、謙虚さ、優しさ、子どもたちの自由な振る舞い、女性の屈託のない素振りなどに賞賛を惜しまなかったそうです。
それは決して欧米より遅れた文化の国に対する同情や好奇心の念ではなく、
「自分たちと違うもの」に対する敬意に基づくもののようですとあります。
その時代の日本人といえば、着物を着て、男性はちょんまげ、女性は髪を結い、武士なら刀を腰のところに持っていたのでしょうか。(日本人の私でもよくわからない)
私たち日本人は、それを当たり前の格好としてすんなり受け入れていますが、欧米人にとっては、ずいぶん変わって見えたに違いありません。
明治以降、日本人は欧米的な生活にあこがれ、生活スタイルも欧米化してしまいましたね。
外国人の手記や回想録をもとに書かれたその”失われた日本の姿”は市井の歴史家である渡辺京二さんの名著「逝きし世の面影」に描かれているそうです。
英語に、make a difference という言葉がありますが、これは、「相違を生ずる」という意味ばかりでなく「重要である」と意味も持っていて、ネガティブな意味はありません。
欧米人にとって、「違う」という事は、いいことなのです。
このことが、西洋人の日本人に対する敬意につながったのかどうかはわかりませんが、文化の根底にあると思います。
ではありません。
その反対に、英語で世界に自分たちにしかないものをアピールしたら、結果的に一目おかれるのではないでしょうか。
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